今期運営代表挨拶

科学者維新塾 御茶ノ水 第10期運営代表

松浦 恭兵


日本社会はまさに今、変革期を迎えています。これまでの「答えがある問題をいかに素早く解決するか」という所謂カイゼン型の社会から,「答えのない問題に向き合い続ける」必要がある社会へと変わろうとしています。新卒一括採用・終身雇用のシステムもいずれ終わるでしょうし、採用方法が変われば求められる人材も変わります。アカデミアにおいてもそれは同じでしょう。インパクトファクターや論文数偏重型の評価方法には問題も多く残っていることは周知の事実です。

では、そのような混迷を極める世の中において、私たちはこれからどのような選択をしてゆけば良いのでしょうか?「みんなにあわせて、修士号を取って就職する」「博士課程まで進むと選択肢が狭まる」「ポスドク問題が叫ばれている」…これが日本でよく言われているイメージかと思います。その中には事実もあれば、思い込みもあるでしょう。ですが、私は「博士号は世界で通用するパスポート」だと考えています。また、単なるカイゼンではなくイノベーションを求められる社会において、自ら研究領域を切り拓いた証である博士号は必ず役に立つはずです。博士こそが、これからの社会で先頭に立ってリーダーシップを発揮するべき存在なのです。

この科新塾では、各界の第一人者である方を講師としてお呼びし、博士号取得後の歩み方や活躍の場についてメンバー全員で議論を続けてきました。アカデミアにとどまらない幅広い選択肢に触れることができ、常に新しい視点を得られるのがこの団体ならではの特徴です。また、様々な年代・大学・専攻の人と交流できるコミュニティですので、そのような繋がりを求めて参加して下さるメンバーも多くいます。このような活動に少しでも興味のある方、共感して下さる方がいらっしゃいましたら、ぜひお気軽に見学に来て下さい。私たちと一緒に、科学者のこれからを考えてみませんか?運営一同、新しい仲間の参加をお待ちしています!